札幌北洋による公的資金申請のニュースが流れて数日経ちましたが、北洋銀行ではこれ以前にも資本政策の一つとして劣後債によっても資金調達しているんですよね。
北海道新聞の記事によると、
同行が行っている資本増強として、〇八年十月以降の劣後ローンによる調達額の合計が二百五十億円程度となったことも分かった。内訳は道内十二信金から百億円程度、複数の生損保から百五十億円程度。
となっているわけです。
劣後債、細かい定義はともかく、要するに資本に算入できる債券の顔をした資金調達です。
もう少し引用させていただくと、
資本ですから銀行的には「永久債」などというものが好まれますが、投資家から見ると期限がない返済順位が株式とほぼ同等の融資に該当しますのでこれは怖い(実は80年代にはこんなのががんがん発行されました。当時は本当に銀行は絶対につぶれないと思われていたのです・・・)そこで償還期限10年ノンコール5年など、5年後からコールをかける可能性がありますよ、として、しかもコールをかけない場合、つまり償還させない場合は利率が上がる、ステップアップと呼ばれる仕組みで償還にプレッシャーをかける、という商品が一般化していきました。テップアップですから5年後に新しいステップアップ後の金利条件と照らし合わせて償還するかどうか決めれば良い・・・・ようなものに見えますが、実は当然コールをかけますよ、とマーケットでは認識している商品です。
ドイツ銀行については、ユーロ建ての劣後債のコールをかけなかったということで、投資家に対して筋を通さなかったということですが。
北洋銀行がどのような約束で起債しているかはわかりませんが、上記に近い仕組みの内容だと推測できます。
公的資金(まだ本決まりではありませんが)と合わせ、財務基盤を強固なものとした上でこの金融危機を乗り越え、北海道経済を回復に導いていくことをひっそりと期待しております。
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