Accounting Hacks: 【書評】 クラウド化する世界

2009-01-26

【書評】 クラウド化する世界


クラウドコンピューティングの現状について俯瞰的に書かれた本。
電力業界の変遷と比較しつつ、ネットを中心としたIT業界が向かっている未来をわかりやすく語るあたりはとても面白い。

これまでは自社で賄っていたIT投資(windous、会計システム、各種データベース等)であるが、ネットの『あちら側』(クラウド=雲)から提供される様々なサービスを利用することによって、web(ブラウザ)経由でより安価に業務を行うことができるようになる。

こうなると、グーグルがブラウザ『Google Chrome』を開発した理由もわかってくる。
単なる閲覧だけではなく『仕事』として使うならば、同時にいくつものサイトやアプリケーションを開いてもビクともしないタフなブラウザが求められる。chromは例え一つのタブに問題が生じてフリーズしたとても、それがブラウザ全体に影響することはない。
また、ビジネスは時間との勝負であり一分一秒も無駄にはできないが、その点に置いてもchromは徹底的に無駄を省き、他のブラウザに類を見ないほどの速さを誇る。
まさにクラウドコンピューティング時代のブラウザだと理解できるだろう。


本書に出てくる企業はグーグル、アマゾン、セールスフォースなど、クラウド化の象徴のようなところが殆どであり、専門のエンジニアやマーケターが読んでも「何をいまさら?」という内容ばかりで特に得るものは無いかもしれないが、今ネットで何が起きているのかを簡潔に理解するには非常に参考になる一冊といえる。


2 コメント:

山田 豊 さんのコメント...

■Web2.0に次ぐ一大トレンド「クラウドコンピューティング」の正体-パソコンはソフトがなければ、ただの箱ではなくなった!!
http://yutakarlson.blogspot.com/2009/01/web20.html
こんにちは。いまクラウドコンピューティングが大きな話題になっていますね。私自身もクラウドコンピューティングをいろいろ使ってみて、その可能性には大きな期待を持っています。アメリカなどでも、オバマ大統領がこれを最大限に活用して、国民から意見を効率良く徴収しています。日本でも、これからいろいろと役に立つもの、面白いものなど開発していただきたいです。現在大規模なクラウドコンピューティングをできるような、コンピュータを提供できるのは、グーグル、IBM、マイクロソフト、ヤフー、アマゾンぐらいしかないようですが、日本でも積極的に取り組むべきテーマだと思います。内需拡大などで、へんなばら撒きをするくらいなら、日本でも人材育成なども含めたクラウドコンピューティングの大きな基盤を形成するなども内需拡大に大きく寄与すると思います。詳細は是非私のブログをご覧になってください。

modi さんのコメント...

クラウドコンピューティングを使いこなすことができれば、中小企業や地方の企業にとっては大きな武器となるでしょうね。当然そこには様々なリスクも伴うでしょうが。